七田眞先生と七田式教育
三鈴学園は七田式教育によって、人間性と脳力を伸ばす教育をしています。この七田式教育は、この約40年の間に世界に広まり、現在16カ国で実践されています。「The Shichida Method」と呼ばれ、幼児期に優勢な右脳の能力を更に開発・定着させ、左脳との連携を図る全脳教育です。親の愛情が子どもの成長に不可欠という考えから、「認めて ほめて 愛して育てる」を教育理念にしています。能力の開発だけでなく、他者への愛情、夢、志を育てる「魂の教育」に力を入れ、全人格教育を目指しています。この教育を考えだし実践し体系化して普及したのが、故 七田眞先生なのです。
七田眞先生との出会いは、昭和58(1983)年、幼児教育の講演会でした。私の長女は極小未熟児で、当時2~3歳でしたが発達が遅れ、どのようにして育てたらよいのか悩んでいました。三鈴(副学園長)はいろんな本を読み、多くの教育講演を聞きに行っていました。そのような時、七田眞先生の講演を聞き、『これだ!』と思い七田先生の本(「0歳教育の秘密」「新しい幼児教育」など)を買ってきて、私に熱く語りました。『カール・ビッテの教育』『才能逓減の法則』のこと、赤ちゃんは天才であることが本には書かれていました。間もなく岡山で七田眞先生の講演会があり、私も年次休暇を取り勉強に行きました。そして七田眞先生の唱える教育こそが21世紀の教育だと確信し、長女への実践を始めました。三鈴は長女を抱き、七田先生の講演の追っかけ隊になりました。七田先生のお陰で長女はお琴の演奏家・作曲家になり、今は自分の子育てに奮闘しています。
七田眞先生は島根県江津市の方で、とても勉強家で読書家でした。天才と呼ばれた人がどのような過程を経て天才と呼ばれるようになったかを研究され、七田式幼児教育を確立されました。アメリカの大学で教育の博士号をとられ、七田教育を広めようとされました。昭和60年頃は全国の幼稚園を対象に「七田幼児教育研究会」という組織をつくり、講演会と研究会をしていました。三鈴学園もそのグループに入り、関西を中心に多くの幼稚園での実践を参観し、勉強させていただきました。
七田眞先生は『(株)しちだ・教育研究所』という会社を設立され、七田式教育を更にレベルアップ・確立され、その神髄を特許にしています。そして世界でその特許を取得し「しちだ・教育研究所」は、世界16カ国で七田式教育を実践・展開しています。この会社は七田眞先生の次男である七田厚社長が設立当初から経営されています。教室で使用している教材はほとんど「しちだ・教育研究所」のものです。
七田眞先生は身体が弱く、若い頃はよく病気もされ、死を宣告された時もありました。そのため健康管理にはとても気を使っておられました。身体に悪い食べ物、水、洗剤などを排除され、玄米・蕎麦・野菜を中心の食事をされており、よく一緒に楽しく食事をさせていただきました。身体と心と頭脳によい食材や栄養補助食品などを扱う会社も設立されました。120歳まで生きるんだと言われ摂生されていましたが、平成21(2009)年4月に79歳で亡くなられました。訃報を聞いた時、私たち夫婦は人生の師を失った深い悲しみに見舞われました。しかし、七田眞先生の教えは私たちの心の中に生きています。この教育を発展させながらやり抜くことが私たちの使命だと信じています。これからは、七田眞先生の理念を正しく継承・発展させている「しちだ・教育研究所」と一緒に、世界レベルの七田式教育を三鈴学園で実践していきます。 ( 建 治 )