子どもが幸福・不幸を感じるとき
あなたが子どもの頃のことを思い出してみましょう。
「うれしくて、心が満ち足りて、笑顔になり、ずっとこの状態が続けば良いと思った時(幸福)」、反対に「とても嫌で、不安で、心が激しく波立ち、生きていく意欲がなくなり、心の奥深くに傷ができた時(不幸)」は、どんな時でしたか。
大人になり、親になった時、自分の子どもには、こうしてあげようと思ったこと、こんなことは絶対にすまいと思ったことはどんなことですか。
幸福な状態で親族の愛をいっぱい受けて育った子どもは、愛の表現を上手にすることができ、幸せで明るく、充実した人生を送ることができます。反対に不幸な状態で親の愛をあまり受けていない子どもは、暗くて辛い想いをしながら人生を送る場合が多くなります。
乳幼児期・小学生の頃、我が子にどのようなことを、どのような体験をさせてあげたら良いのでしょうか。また何が一番子どもの心を傷つけ、辛く苦しい想いをさせるのでしょうか。考えてみましょう。
私は次のようなことを考えています。参考にして下さい。
1.子どもにとって、一番辛く嫌なのは、
(1)パパとママが子どもの前で、激しい喧嘩をすることです。
互いの悪口を言い合い、結婚が間違いだったと言い、破壊や暴力がともなったりします。また、冷戦期には無視を続け、家庭内に笑顔がありません。子どもは自分の存在の根底を揺るがされます。
(2)相手にしてもらえず、無視されることです。
話かけてもらえず、顔も見てもらえず、テレビの前に置かれ、目覚めた時誰も居なくて、泣いても誰も来てくれない、忘れた頃に食事が与えられます。一人ぼっちで不安な心が続きます。
(3)親の気分で、理不尽に怒られることです。
親のストレス発散の相手にされ、怒られたり、暴力を受けたりします。いつも相手の顔色をうかがい、おどおどします。
2.子どもにとって、幸福なのは、
(1)パパとママがとても仲良く、いちゃいちゃしていることです。
仲の良い二人の間に入り、ゴロゴロと甘えるのは、一番の心の栄養です。生きていくエネルギーのもとです。意欲・信頼感をはじめ、人間としての基礎が培われます。
(2)強くしっかりと抱きしめられることです。
スキンシップ、皮膚感覚へのやさしい刺激は、心の奥深く愛情の座に直接作用します。「よくできたよ」「可愛いね」「大好きだよ」「愛しているよ」と声かけをしながら、抱きしめたり、マッサージをしたりします。する方もしてもらう方も幸せです。
(3)子どもと一緒に○○することです。
子どもと一緒に遊ぶ、一緒にお風呂に入る、一緒にご飯を食べる、一緒に寝る、一緒に取り組み・学習をする、一緒に歌う、一緒に踊る、一緒に散歩をするなどなど。子どもは親と一緒にすることが大好きです。楽しく関わってくれる人が、すぐ側に居 る。安心と深い喜びを感じます。人は集団で幸福を感じることができる動物です。
(4)本気で褒められることです。
親に抱きしめられて、本気で褒められると、自己肯定感が深まり、自信ができます。 意欲的・積極的になり、ますます能力を向上していきます。自分は素晴らしいという想いは、生きていく原点です。
子どもが幸福に感じることを、意識していっぱいしてあげましょう。同じことを配偶者にもしましょう。反対に、不幸に感じることは、絶対にしてはいけません。その可能性が出てきた時は、深呼吸をし、上手に解消して下さい。解消の方法は、今考えた『幸福に感じること』を配偶者・子ども・周囲の方に意識して実践することです。幸せへ素敵な循環が始まります。