読書家 ナポレオン・ボナパルト
学習の基本は『読書』です。書物を読みその中から知識や技能、感情や心、考え方、生き方などを自分のペースで獲得していきます。
フランス革命後の混乱を収拾し、欧州に一大帝国を築いたフランスの皇帝ナポレオン・ボナパルト。『余の辞書に不可能という言葉はない』は、あまりにも有名です。彼が天才になった秘訣は、読書でした。木原武一『天才の勉強術』(新潮社)を参考にして紹介します。
ナポレオンの頭は、「引き出し頭」と呼ばれていました。戦争のことばかりでなく、法律や財政、商業・文学に至るまで様々な知識が、それぞれ引き出しの中に入っているように整理され、いつでも必要に応じて取り出すことができたといわれています。彼はどのようにしてこの引き出し頭をつくることができたのでしょうか。答えは簡単です。彼は非常にたくさん本を読んだのです。今も昔も、最強の勉強法は本を読むことにつきます。
本を読めば新しい発見があり、何かものを考えます。ものを考えることで刺激を与えられた頭脳は、思いがけない素晴らしい働きを発揮します。いわゆる天才とは、こういうことを忠実に継続し続けた人たちなのです。
ナポレオンは幼年時代から貪欲な読書家でした。ただ大切なのは、手当たり次第本を読み飛ばしていたのではなく、要約や抜粋、感想などを書いた克明な読書ノートをつくっていたことです。書くことで、一層よく考えられます。ものを考える最善の方法は、ものを書くことです。読書は次善の策だとしたら、本を読んで読書ノートに書くことこそ、まさに最良の勉強法なのです。
ナポレオンが戦場でも、一国の統治においても、人々を驚嘆させるような能力を発揮できたのは、判断力を鍛え、莫大な量の情報を貯えさせた旺盛な読書によるところが大きかったのです。
彼の天才の秘訣は読書にあったのです。
彼は46歳の時、最後の戦いであるワーテルローの戦いに敗れ、追放されて最後の6年間をセント・ヘレナ島で過ごし胃癌で亡くなります。そこでもよく本を読み、その書庫には3000冊以上の本が所蔵されていたと伝えられています。
いつの時代でも、読書は学習の基礎です。入学試験・卒業試験も筆記試験がほとんどで読んで、考えて、書くです。読書は、幼児期の絵本の読み聞かせからはじまり、一人読み、児童書へ、音読から黙読へ、読書ノートづくりと楽しい読書習慣をぜひお子様につけてあげてください。毎日、夕食後30分間は、家族そろっての読書タイム、そして読書ノート時間。この繰り返しが、お子様を賢く育てます。この習慣化ができるのは親しかありません。お子様の将来は、保護者であるあなたの手の中にあります。
( 建治 )