オーストラリア短期留学

 8月21日~28日までの8日間、英語教室に通う小2~中2の10人の子どもたち、遠藤先生とオーストラリア・ケアンズに研修に行ってきました。とても楽しく、心躍る本当に価値ある短期留学でした。

 語学習得は瞬間処理能力にたけた右脳と、じっくり記憶し言語にする左脳の連係プレイです。幼児期に多言語の環境を上手につくると確実にバイリンガル、トリリンガルの能力を身につけることができます。バイリンガルといかないまでも、自由に外国語(英語・中国語)を扱える能力は、これから世界のなかで生きていかねばならない子どもたちには必須のものです。問題はいかにして外国語環境をつくるかです。一番良いのはお父さんが海外勤務になり家族そろって移住し、現地の学校に通うことです。昼間は外国語、家に帰ると日本語の生活です。次はインターナショナルスクールに子どもを入れることですが、岡山では無理です。三鈴学園の英語教室に通っている子どもたちに、ぜひ短期でも良いから24時間、英語だけの環境を与えたいとの強い思いから今回の留学を計画しました。

 

 留学の場所はオーストラリアのケアンズ。治安が良く自然が豊富、時差(1時間)も少なく、日本人経営の信頼できる語学留学の拠点があることが決め手でした。子どもたちは二人ずつ現地でホームステイをし、そこから現地のレベルの高い私立小学校(Trinity Anglican School)の当該学年に通い、ホームステイ先に帰宅、余暇はホストファミリーと過ごすという短期ですが本格的なものです。

 

 8月21日()、父母・祖父母・兄弟、たくさんの家族に送られ岡山駅西口からバスで出発、関西国際空港を目指しました。背丈ほどのスーツケースを引っ張りながら関空の中を移動し、搭乗手続き、保安検査、出国審査を受けました。先生はいるけれど一人での対応です。緊張しながらもクリアしました。飛行機はジェットスター航空、遠藤先生の元の職場です。元同僚の外人CA(客室乗務員)やキャプテンと抱き合い喜んでいる遠藤先生を微笑ましく見ながら、機内での課題をしたり、機内食を食べたりしながら6.5時間の空の旅を楽しみました。

 

 ケアンズには現地時間で朝の4時半に着きました。まだまだ暗い早朝でした。パスポートと入国審査のカードを持って入国審査に臨みました。一人ひとりが順番に呼ばれます。パスポートとカードを提出し、その場で待っていれば普通はすぐに通過できます。ここで家から持ってきた常備薬について一生懸命に英語で説明した子どももいました。審査官の女性が笑顔で熱心に彼の英語を聞いている姿がとても印象的でした。大きな荷物を受け取り、次は両替です。英語の先生がつくってくれた会話集を手に両替に挑戦です。飛行場でのレートは少し悪く、オーストラリア1ドルが85円程度でした。外に出るとあたりは薄明るく、少しひんやりした気持ちの良いケアンズの空気が漂っていました。迎えのバスに乗り、ケアンズでの拠点サン・パシフィック・カレッジを目指します。途中芝生の中にワラビー(小さなカンガルー)を見つけて興奮しました。

 

 南半球にあるケアンズの気候は日本と反対で冬ですが、赤道に近いので朝夕涼しく昼は暑いというとても過ごしやすい気候でした。Sun Pacific College(SPC)は、英語の語学中心学校で、日本、ドイツ、フランス、中国、韓国などの若者たちが英語環境の中で語学や商業などの学習をしています。厳しい決まりがあり、英語以外の外国語は厳禁で、もし使った場合は英語での反省文とレポートが要求されます。先生は英語圏のネイティブの方で、サポーターの各国のお兄さん・お姉さんが補助をしていました。

 

 到着後、SPCで朝食を食べました。シリアルと牛乳でした。時々子どもからつい日本語がもれます。そのたびにお姉さんに恐い顔で注意されます。ついにいつも騒がしく陽気な三鈴学園の子ども集団が静かになりました。誰も何もしゃべりません。平気で大声でしゃべっているのは遠藤先生だけです。私は大学院でまで英語の講義を受けていましたし、留学生の世話もしていましたが、子どもたちと同じような状態で、簡単な単語を発するだけになりました。

 朝食後、SPCの校長先生から、ホームステイ先での大切なことを聞きました。この内容については来月のお便りで紹介します。夕方、それぞれのホストファミリーのお父さんとお母さんが迎えに来てくれました。子どもたちは緊張の面持ちで、車に乗ってオーストラリアの家に帰って行きました。24時間英語漬けのオーストラリアでの留学がスタートしました。                                ( 建治 )