振り返りから未来が見える!

 3月は年度の終わりで、今の学年のしめくくりの月です。学年の始め(4月)にたてた目標を思い出し、振り返りをしてみましょう。台所に張ってある各人の目標をはずし、家族みんなで楽しくまとめをします。振り返り(総括)をすると、できるようになったことや得意なこと苦手なことも分かり、今年の4月から取り組んだらいいことや、楽しい未来が見えてきて、家族中が笑顔になれます。目標を貼っていない場合も、お茶とお菓子を用意して、振り返りの楽しい家族会議をしましょう。

 最初に、保護者の方が自分の目標を発表して振り返りと今後したいことを楽しく話します。今年度に楽しかったことも話し、お手本を見せましょう。(話し方は子どもの例を参考にしてください。)

 次に大きい兄弟から目標を発表し、できるようになったこと、4月からの課題などを言います。いいことに焦点をあてて話すようにします。それに兄弟や両親が見つけたいいことを補足してあげます。どれだけ成長したか。できるようになったかを明言してあげましょう。子どもの初期の意欲を伸ばす最大の原動力は、いいところ、伸びているところを見つけて誉めてあげることです。心から誉めることが、その人への愛情です。『大好きだよ』という一番のメッセージです。的確に誉めるためには、子どものことを日頃からよく見てあげないとできません。子どもへの熱い思いが必要なのです。この愛が能力と心を大きく伸ばします。また目標以外のことで、成長したことも教えてあげましょう。そして笑顔で抱きしめてあげます。「自分は成長している。しっかりできるようになっている。」この自己肯定のいい思いが、自信につながり、また頑張ろうという本物の意欲になっていきます。

 次にできなかったこと、不十分だったことを簡単にまとめ、次へ目標を作りなおします。目標がうまく達成できなかったり、達成のための行動ができなかった原因は何でしょうか。本人が怠けて努力せず、さぼったからでしょうか。そうではありません。原因は目標のたてかたが悪かったのです。目標は、本人がしたいことや伸ばしたいことを中心にして、少しの努力でできそうなものにするのです。しなければならないことや、短所や欠点を直すようなものではないのです。本心から喜んでしたいことを目標にし、毎日できたかどうかの点検をします。できていなかったら一緒にしてあげ、できたねと誉めてあげることです。そうすれば、必ず目標は達成されます。取り組みが不十分であった目標は、修正する必要があるのです。親が一緒に考えて、必ず達成できるものにしましょう。

 本人がしたいこと、得意なことが分かり、具体的な取り組み目標をたてることができると、しめたものです。あとは成長の一途です。その段階で大切なのが、どちらの方向に能力を伸ばしていくかという舵取りです。これは親にしかできない大切な仕事です。情報を集め、子どもの幸せのためにはどうしたらよいかを考えましょう。担当の先生にも相談してください。とても楽しくやりがいのある仕事です。

 目標づくりは未来づくり、夢づくりです。将来への確かな展望をつくり、それに向かって、楽しく笑顔で取り組みをします。そのような家庭、生活をつくって欲しいと思います。このような家庭環境づくりこそが、お子様への最大のプレゼントです。                   ( 建 治 )