社会性のしつけ(躾)

 入学・進級、おめでとうございます。身も心も頑張る気持ちに満ちあふれていると思います。何を頑張るのか明らかにすれば、空回りをせず成果がきちんと表れます。いつも原点に戻って子育てを考え、日々の実践をしていきましょう。

 今月も先月から引き続き、躾について考えてみます。

★ しつけ(躾)とは、「子どもに礼儀作法を身につけさせること。生きていくうえの決まり・約束がわかるようにすること。うまく自立できるように助けになるもの。」でした。

躾は親の仕事で、これができていないと子どもは一生苦労します。

 躾の基礎となる大切なことは、次の3点でした。

 ①他人とのコミュニケーションがとれること

 ②自分の衝動を抑えることができること

 ③他人のことを思いやることができ、周りと協調できること

★★躾には次の3つの内容がありました。

 ①基本的しつけ  ②精神的しつけ  ③社会性の躾

 今回は「③社会性のしつけ」について考えてみたいと思います。

 (1)責任感

 責任感は、人間と動物とを分けるものです。人間は自分のしたことに責任を取らねばなりません。責任感を育てるには、自分のことは自分で始末する習慣をつけることです。年齢に応じて少しずつ身の回りのことを自分でできるようにしてあげましょう。食事の片付け、衣服の整理、遊んだ後の絵本やおもちゃの片付け、掃除など、一緒に楽しくして、しっかり誉めてあげましょう。お花への水やり、金魚の世話など、生物の世話は枯れたり死なせることもあるので、責任感を育てるのにいい材料です。他人の物をなくしたり、壊したりした時、乱暴をしたりした時は謝ることを教えます。責任感は失敗や悪いことを追求して育てるのではなく、された相手の気持ちに寄り添って考え、どうしたら良いのか判断して行動することを教えて育てるのがポイントです。

 (2)勤労意欲

 喜んで楽しく仕事をすることは、生きていく上で必須のものです。その基礎はお手伝いです。年齢に応じて、できるお手伝いを探し、やり方を丁寧に教え、誉めながら練習させ、毎日するように習慣化しましょう。お手伝いは二種類あります。生活に関するお手伝いには、靴そろえ、玄関の掃除、新聞・郵便物の取り込み、庭掃除、植物への水やり、ペットの世話、食事の準備と片付け、洗濯物の整理、トイレ・お風呂掃除などがあります。もう一つは、職業(家業)に関するお手伝いです。父母、祖父母、親戚などの職業に関するものです。見学からはじめ、できそうなことを教えてもらいます。3年も手伝いができると、その業界の若きホープになり、みんなから認められ誉められ、自信になります。ポイントは、お手伝いでできた成果を確認させて、本気で誉め、感謝することです。仕事をしたら、働いたら気持ちが良いという体験をたくさんさせてあげましょう。

 (3)対人関係

 基本は、他人を傷つけない、他人に迷惑をかけないことです。乱暴なことをしたり、迷惑をかけた時は、むやみに叱らないで、丁寧にお話をして、根気強くなぜいけないのかを教えてあげましょう。対人関係の躾のポイントは、損得を考えないで、友だち・周囲の人に尽くすこと(愛の実践)です。相手の気持ちを感じて、喜ぶことをすることです。困っていたら助けます。忘れ物をしていたら貸してあげます。楽しいことは一緒にします。お礼を期待しないで、他人の喜びを自分の喜びにすることを体験させてあげましょう。これが幸せへの最短コースです。分かっていてもなかなかできません。親子で一緒に実践していきましょう。兄弟やおじいさん・おばあさんへの心配りから始めましょう。

 (4)道徳

 社会の中でみんなが認めている善悪の判断基準を道徳といいます。いいことと悪いことを、きちんと教えてあげましょう。また、礼儀作法・行儀(マナー)を、ことあるごとに楽しく誉めながら指導してあげましょう。

 社会的な躾は幸せな人生に直結しています。子どもだけでなく親子で一緒に実践しながら、笑顔で幸せないっぱいの生活を送りましょう。                                                                                                                    ( 建 治 )