親は担任の先生 応援団

 野辺の花々がきれいに咲き、心も身体もウキウキする季節となりました。子どもたちは、進級・入園・入学と新しい環境でのスタートです。新しい学校、新しい先生、新しい友だちと、子どもの環境が大きく変わる時期です。

 

 この環境の変化が激しい時、一番大切なことは、新しい環境に上手に慣れることです。この環境適応能力は、今後の社会生活の中でとても重要なものです。幼児~中学生までの間は親の援助が特に大切です。五月の連休まで、新しい環境で格闘している子どもをしっかりと受け止め、抱きしめ、よく頑張っているねと誉め、家ではゆっくりと休ませてあげることです。のんびり楽しく一緒に食事をして、遊び、睡眠時間を十分にとってあげることです。幼稚園や学校が負担にならず、喜んで行ける状況をつくるのです。親も準備で忙しい時期ですが、子どもの前ではゆとりを持って振る舞うことが大切です。

 気をつけねばならないことは、新学年だから、頑張れ!今頑張らないとダメだ、頑張りが足りないと激励しすぎないことです。この時期は、環境に慣れ自分の居場所をつくることに頑張っているのです。更に頑張りを要求するのではなく、今頑張っていることを、しっかりと誉めて認めてあげましょう。

 

 この時期の子どもの課題は、幼稚園、保育園、学校園と担任の先生が大好きになることです。学校園に毎日喜んでいきたいと子どもが心から思うことです。そうなるためには、親は何をすればいいでしょうか。

 まず『いい担任の先生で良かったね。お母さんは、○○先生が大好きよ。』と言葉に出して言うことです。親が先生大好きになると、子どもも先生大好きになります。担任の先生のいいところを探して、言葉にして伝えましょう。日本では、基本的に担任の先生を保護者が選ぶことができません。ですから、いかに担任の先生を応援していくか、それが親の仕事になります。まずは、好きだよと声に出し、いいところを見つけ、先生にも子どもにも伝えることからです。先生も人間です。誉められればうれしくなり、頑張ろうという気になります。良かったことを、言葉にして伝えてあげることが大切です。前向きの言葉でいい信頼関係を築いていきましょう。

 先生の指導で『あれ?』『おかしいな?』と思ったら、すぐに子どもがいない時に電話をして直接訪ねましょう。多くの場合、子どもから聞いた情報とは、異なったことが見えてきます。誤解が誤解を呼び、不幸なことにならないようにします。先生の指導については、親のネットワークで相談するのは厳禁です。直接が要です。納得いかない場合は、主任の先生、学園長の先生に相談しましょう。それがいい結果を生みます。

 更に子どもを学校園好きにする秘訣は、帰宅した子どもに『どんな楽しいことがあった?』『何がおもしろかった?』と聞いてあげることです。子どもは、愉快で楽しかったことを、追体験しながら話してくれます。先生や友だちの良いところも聞いてあげましょう。良かった探し、感動探しが、学校園大好きにする一番の近道です。心配のあまり、間違っても反対のことを聞いてはいけません。嫌なことや辛いことは、生活していく上で必ずあります。それを上手に乗り越え、昇華していくには、楽しいことを思うことがポイントです。嫌なこと辛いことがあったかどうかは、子どもの様子を見ていればわかります。それを上手にわかってあげ、見守ってあげましょう。自分で乗り越えることができる力が少しずつついてきます。

 

 担任の先生の応援団になり、先生といい関係を築き、家では子どもを抱きしめ、誉め、疲れをとってあげ、いいスタートを切らせてあげるのが、この時期の親の仕事です。小さいことに捕らわれず、無理をせず、しっかり睡眠を取り、子育てを楽しみましょう。( 建 治 )