一流の大人になるための子育て
以前出会った本に前川孝雄「一流の人だけが実践している成功術」(日本文芸社)というものがあります。数多くの一流と呼ばれている方と会い、話しながら気付いた共通点をまとめた本です。何気なく手に取り読んでみると、子育てのヒントになるようなことがたくさんありました。私なりにまとめ直し、紹介したいと思います。
一流とは、「第一等の地位。最もすぐれている段階」のことです。一流の大人、最もすぐれている大人になるためには、どのような資質を育てていけばいいのでしょうか。
(1)ポジティブ思考
どんな時でも前向きで、明るく楽しく生活できるようにします。「おもしろい」「やってみたい」「すごい」「ありがとう」というような言葉を多用します。反対に、「でも」「もし」「どうせ」「ダメ」「できない」などの言葉は使わないようにします。うまくいかなかった時も、いい勉強をしたと思い、どうしたら楽しくうまくいったかを考え、工夫します。
(2)具体的な行動目標をつくり、実践、達成していくことを習慣化
少し努力すれば達成できる具体的な行動目標、学習目標を設定し、努力して頑張り達成していきます。「プリントコースのプリントを一日5枚する」「毎日読書を30分間する」「毎日暗唱文集を、1頁暗唱する」「毎日、トランポリンを15分間する」「毎日、逆上がりができるように練習する」「毎日食事の後片付けを手伝う」などです。大切なのは、親と一緒に点検できる目標をつくり、毎日できたかチェックし、できていたらいっぱい誉めてあげること、毎日できるように上手に仕向けることです。できたこと。誉められたことは自信になり、次への意欲になります。具体的な行動目標をつくり、達成していく喜びを体験させてあげましょう。
(3)友達の良いところを見つけ、それを伝えること
周囲の人の良いところを見つけて伝えてあげましょう。周囲の人が大切にしていることを見つけて、その話を聞いて感心し、認めてあげましょう。人間関係の基礎は、互いに認め合うことです。そのために良いところ探しをしていきます。どんな人にも必ずその人にしかない優れたところがあります。親と一緒に探し、その人に上手に伝えます。伝えることからいい人間関係がスタートします。
(4)趣味、好きなことに没頭する
大好きなことをつくり、毎日時間を決めて熱中します。お絵かき、虫探し、ブロック、絵本、読書、おもちゃ、パズル、プリント、ままごと、砂場あそび、粘土、サッカー、野球など、好きなことに熱中することを大切にします。趣味・好きなことを深く、とことん伸ばすことで、人間は大きく成長します。
一流の大人になる子育ての本質は、個性と実力を伸ばし、幸せな人生を送るためのものです。大切なことは、親自身が一流になる努力をし、その姿を見せることです。子育ては自分育て、我が子とともに、自分を活かし、周囲の方を活かし、笑顔の絶えない幸せな社会をつくっていきましょう。 (建治)