良かった探し

『良かった探し』は、今から35年前1986(昭和61)年にフジテレビ系で放送されたアニメ「愛少女ポリアンナ物語」で有名になった言葉・生き方です。おじいさん、おばあさんが子育てをされていた頃、毎週日曜日に楽しみにして観ておられた番組です。

原作はアメリカの作家エレナ・ホグマン・ポーター(1868~1920)が書いた「少女パレアナ」「パレアナの青春」(1913、1915)で、ずいぶん以前のNHKの朝ドラ「花子とアン」の主人公、村岡花子が日本語に翻訳し紹介しています。

ストーリーは、幼くして父母を亡くして孤児となったポリアンナが、牧師であった父親の遺言『良かった探し』をして、貧しさや不幸に負けず、明るく頑張って生きていくお話です。孤児のポリアンナは、亡くなった母親の妹、叔母のパレーに引き取られます。叔母は34歳で独身。度重なる不幸のため心を深く閉ざしています。8歳のポリアンナは、叔母のひどい仕打ちにもめげず、いつも明るく、周囲の人の良いところをみつけ、日々の生活の中で感動したこと、うれしかったこと、美しいと感じたことなど、良かったと思ったことを探し、周囲の人に楽しく伝えていきます。そんな明るくて前向きなポリアンナに、周りの人たちも少しずつ心を開き、笑顔が出始め、変わっていきます。ところがある日ポリアンナは、自動車事故で神経を痛め歩けなくなります。この試練も叔母パレーと共に、良かった探しで耐え抜き、難しい手術を受け、歩けるようになります。ポリアンナの良かった探しの生き方で、周囲の人たちは、複雑で醜い人間関係の歪みが徐々にとれ、憎しみや誤解から解放され、笑顔で、幸せになっていくというストーリーです。

この小説のポリアンナの生き方は、心理学にも影響を与え、『ポリアンナ効果』(チャールズ・E・オスグッド1964)という言葉まで生み出しました。

 

たくましく前向きに生き抜く力の原動力になるのは、健康と気力(意欲)です。健全な気力は、成功体験、達成感、自己肯定感、幸福感などにより培われ、強いものになっていきます。家族みんなで、今年の1年を振り返り、できたこと、うれしかったこと、楽しかったことを出し合い、前向きな総括をしましょう。司会と記録はお父さんとお母さんがします。小さな子どもから順番に、一人ひとりの『良かった探し』をしていきましょう。まず本人が発表します。それに他の人が良かったこと、できるようになったこと、思いやりの行為で嬉しかったことなどを誉めながら笑顔で追加していきます。ポイントは、欠点や悪いことは言わないことです。出終わったら司会者の人が良かったことのまとめをして、みんなで大きな拍手をします。個々人の記録は、「○○ちゃんの2021年の良かったこと」として、台所に掲示します。昨年のものはまとめて保管しておきます。家族の宝物になります。

 

とっても楽しくて、みんながうれしく、先が見えてくる取り組みです。ぜひぜひ実践してみてください。ポリアンナ効果で、みんなが幸せになります。 ( 建 治 )