小学部在籍生のお母さんの手記

我が家の娘が三鈴学園にお世話になりはじめてから、今年で8度目の春を迎えました。まだ髪の毛も生えそろわなかった娘を抱いて教室の扉を開けていたのは、つい昨日のことのようです。
小学3年生になった現在、その好奇心はいろいろなところで芽を出してすくすくと育っています。どんなことにも常に一生懸命で、楽しんで取り組んでいる娘の姿は、親にとってとても嬉しいものです。どの瞬間も彼女は生き生きとしています。中でもとりわけキラキラと瞳を輝かせているのは、音楽に触れている時です。

娘は幼児教室と音楽基礎コースを受講していましたが、毎週のレッスンがどちらも楽しくてたまらないらしく、レッスンの日がくると、赤いレッスンバックを抱えて随分前から玄関先にちょこんと座っていました。レッスンの時間中は母親の私が後ろにいることなどすっかり忘れて、先生のしてくださることをいつも食い入るように見ていました。楽器に触れたり、リズムをとったり、歌ったり…。何をしても誉めていただいたことと、お友達と一緒にいろいろな音を分けあって楽しめたことが大変嬉しかったと、今私の傍らで娘がしみじみと言っています。
「○○ちゃんの頭にすっと入ったよ」という魔法の言葉で音楽の楽しさを水がしみこむようにすっと入れていただいたことは、親子共にありがたいことでした。
この音楽基礎コースのレッスンは、彼女にとって実に楽しく、本当に有意義なものでした。彼女にとって一生の宝になるであろう絶対音感を自然に身に付けさせていただいたのは、驚くことでもあり、また必然のことでもありました。
我が子だけでなく教室に通うほとんどの子どもたちが、絶対音感をいとも簡単に自分のものにしていることに対して、教室に子どもを通わせる親の一人として、ただただ三鈴学園に尊敬の念を抱くばかりです。

「音楽は人生を豊かなものにしてくれますよ」と先生に教えていただいた意味が最近少しわかるようになりました。自分が読んだ本をイメージにして曲にしたり、ひとつの作品を聴いてそこから生まれる色や形を描いたり。娘は自分の感性を形にすることを、音楽を通じて学んでいます。
現在はお琴とピアノを習っていますが、誰も見ていなくても毎日一人で楽しみながら練習ができています。そうした自分なりの努力の後で、音楽発表会のスポットライトを浴びる喜びがあることを、自分で自然に学んでいます。
彼女が将来どんな花を咲かせてくれるか、それを楽しみにこれからも温かく見守っていこうと思います。